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April 26 2013 5 26 /04 /April /2013 03:58

 イスラエル軍情報部の専門家は23日、シリア政府軍は内戦で化学兵器を使ったと明言した。アサド政権打倒に向けてより直接的に介入すべきだとの米ホワイトハウスへの圧力を強めた。

 

 同情報部のイタイ・ブルン調査分析局長はテルアビブで開かれた安全保障に関する会議で、「われわれの専門家による評価によると、アサド政権はこの数カ月間に何度か武装反体制派に対して致死性化学兵器を使った」と述べた。

 

 これに先立ち先週には、英国とフランスはシリアが少量の化学兵器を使ったとの信頼できる証拠を得ていると明らかにした。米国の当局者はこれについ て調査していると述べた。ただ同当局者は、これが実証されれば、シリア政府が化学兵器を使用すれば行動を起こすとの米国の警告が実行に移される、との見方 を強くけん制した。ある当局者は、「外国政府による信頼度の低い判断」だとして、この情報を重視しない姿勢を示すとともに、米国の行動の基盤となる決定に 到達するまでには時間がかかるだろうと述べた。

 

 ブルン局長の発表はヘーゲル米国防長官が2日間のイスラエル訪問中に行われた。同長官はこの訪問で、イスラエルの民間、軍部の指導者らと会い、イラン問題やシリアの化学兵器問題での協力強化などについて話し合った。

 

 オバマ米大統領は、2年間にわたるシリア内戦への深入りを避けてきた。しかし、大統領はアサド政権が化学兵器を使えば「越えてはならない一線」を 越えたことになると明確に警告した。ただ、大統領とその顧問たちはこうした決定がなされた場合、どのような措置を取るかの詳細は示していない。

 

 しかし、当局者らによると、イラクでの戦争を終結させ、米軍のアフガニスタンからの迅速な撤退を始めたオバマ大統領は、危険でカネのかかる新たな 紛争に引きずり込まれたくないと考えている。政権の政策立案者は10年前にイラク戦争への介入を決めた経緯を心にとどめており、不明瞭で最終的に間違いと 分かるような情報に基づく介入の危険性についての教訓としている。

 

 米高官は「大統領は、化学兵器の使用は『状況を一変させる』ことになると明確に述べている。このため、われわれはどう対応するかを決める前に、化学兵器使用に絶対的な確信を抱かなければならない」と指摘した。

 

 欧州の外交筋は、イスラエルからの情報を軽んじることは米政府にとって特に難しいと述べた。西側の当局者やアナリストによると、イスラエルはシリ ア内部に最高の情報網を持っていると考えられており、シリアの化学兵器に関しては米国もイスラエルに大きく依存しているという。

 

 ブルン局長は、3月19日の政府軍の攻撃を指摘し、「攻撃された人たちの瞳孔は縮み、口から泡を吹くなどの症状を呈し、致死性化学兵器が使用され たことを示している」と述べた。その上で同局長はある遺体の写真に言及して、「化学兵器のタイプはおそらくサリンで、このほかに中和剤や非致死性の化学兵 器が使われた」と話した。イスラエルの当局者によると、こうした判断は広範な情報に基づいているという。

 

 イスラエルの諜報機関モサドやその他の治安当局などがこの判断で一致しているのかどうかは不明だ。4月に入ってからは別の情報組織の高官がそれほど決定的ではない写真を公開し、化学兵器が使われている兆候が増えているものの、「動かぬ証拠はない」と述べている。

 

image

NATOの会議に出席したケリー米国務長官(23日、ブリュッセル)

 

 ブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)会議に出席しているケリー国務長官は、シリアによる化学兵器使用に関してはイスラエルのネタニヤフ首相から電話で聞いたが、首相はこれを断定はできなかった、と語った。

 

 米政権の当局者は、ブルン氏の発言はシリア問題でオバマ大統領とネタニヤフ首相の間にくさびを打ち込もうとする動きの一環とは考えていない、と指 摘した。米国と同様にイスラエルでは一部の情報機関が先走りする可能性がある。米国では最近、国防総省傘下の国防情報局(DIA)が、北朝鮮はミサイル搭 載可能な核弾頭を開発したかどうかについて、組織上層部の意向を無視するような報告をまとめた。

 

 英国とフランスの当局者も米国—それに国連事務総長—に対して、シリアでの化学兵器使用の信頼できる証拠を得たと伝えた。これは目撃者の証言と、 シリア国内で集められた土壌サンプルの英国での暫定的試験の結果に基づいたもの。米国や欧州の当局者によると、米の複数の情報機関は最近の戦闘で少量の化 学兵器が使われたかどうかを調べるため、このサンプルなどを検証している。米当局者は、各情報機関の見解は一致しておらず、これらの証拠は決定的なもので はないと考えているという。

 

 一部の米当局者は、英国が集めたサンプルは、内戦で西側を味方につけようとしている反体制派がばら撒いた可能性があると指摘した。また、化学物質の検出も、必ずしも政府軍の攻撃で使われたことを意味するものではないという。

 

 米国が結論を出す上で非常に慎重な理由の一つは、混乱状態にある戦闘地帯から信頼できる情報を得られないためだ。米国には衛星があるが、地上で活動する独自の諜報員はほとんどいない。また、米国は戦闘地帯で化学物質を検出するための装置も持っていない。

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